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seven wonder!
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 一気にテンションの下がった室内に、ノックの音が響き渡った。
 扉へといっせいに視線が集まる中、
「………あら、何だか元気がないわね」
 お盆を持って入って来たユミのママは、もの珍しげに皆の顔を見回しながら、私と先輩のジュースを置いていってくれた。
 私はからからになった喉をジュースで潤し、少し間を置いてから、ユミの話を聞いてどうしても気になったことを口にした。
「じゃあ、私が見たものは……?あれは、一体なんだったの?」
 あの日の夜、私は確かに見たのだ。礼拝堂の窓から、こちらを見ている人影を。
 あの時はただぼんやりと、白い服をきた女の人だなあと思っただけだったけど、彼女のイメージは日が経つにつれてどんどん鮮明になってきている。
 白いレースのついたドレス。艶の無い赤茶色の長い髪。かさかさにこけた頬。渇いた手足。更には、眼球のない空洞の瞳。まるで、ミイラのような。
「先輩」
 私は門脇先輩に視線をやって、答えを求めた。
「そうね……」
 先輩は少し考えた後で、
「一般的な、日本の幽霊ってどんな姿をしているかわかる?」
 唐突にそんなことを言い出した。
「……白い着物を着て、頭に三角のやつをつけて、手を前にだらっと……」
 アイコがそう言うと、
「そうそう」
 先輩は頷いて、
「古い日本家屋や何かに入るとね、暗がりに一瞬、そんな感じのものが見えたように錯覚することがあるの。もしかしたら、あなたたちのもそれじゃないかなあ」
 ジュースの入ったコップを持ち上げて、ストローで一口すする。
「礼拝堂の横を通る度、無意識に連想してたんじゃない?あの、ぼろい建物に似合いそうな、幽霊の姿を」
(………言われてみればそうかもしれない)
 私はふと、思い出した。小さい頃読んだ絵本に、古い洋館に住むおばけの話があったのだけど、確かにその女の幽霊の格好によく似ているかもしれない。
 私がそう話すと、
「でしょう?」
 先輩は、頷いた。
「ユミちゃんは?」
「………わたし」
「なによ、心当たりがあんの?」
 ユミは相変わらず青い顔で、
「うん……実はね、たった今思い出したんだけど……私、小さい頃に彼女と会ったことがあるよ……」
「はあ!?」
「なにそれ、どーゆーこと!?」
「それがねえ……私、首を吊って自殺した女子高生の、第一発見者になったことがあって」
「え!?そんなことあったっけ」
 幼馴染のユウキが声を上げる。
「ユウキとはまだそんなに遊んで無かった頃だよ。怖い思い出だったし、忘れよう忘れようって思ってたから、ほんとにすっかり忘れちゃってたんだけど」
「………ユミらしい」
 アイコが小声で呟いた。
「ほら、ウチの裏の坂を越えたとこに、教会があるのわかる?そこの裏がちょっと公園みたいになってて、大きな木があったの。今はもうないけど」
 ユミの顔が、嫌な物をみたときのようにくしゃっと歪んだ。
「そこで、見つけちゃったの」
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