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  <title type="text">seven wonder！</title>
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    <published>2010-10-31T18:48:04+09:00</published> 
    <updated>2010-10-31T18:48:04+09:00</updated> 
    <category term="seven wonder" label="seven wonder" />
    <title>＝　ユウキの場合　＝　03</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[　メイさんちへ行く前に私の家に寄って貰うことになり、店を出発した車は、途中で私のよく知っている道に通りかかった。<br />
　Ｓ女の敷地に隣接した土地は、山と言うか森のようになっているのだけど、その森の中を通る道だ。<br />
「大丈夫ですか？」<br />
　車がその道を走っている最中に、メイさんが油汗をかきだした。<br />
「私、この場所嫌いで」<br />
　苦しそうに額を拭っっている。<br />
「前にここで、タヌキを轢いちゃったことがあって」<br />
「ええ！ここ、タヌキがいるんですか！」<br />
　私が驚いていると、<br />
「なあ、おまえ免許ねーじゃん。誰の車に乗ってたんだよ」<br />
　ノリくんが不機嫌な声で聞いてきた。<br />
「誰だっていーじゃん」<br />
「いつの話だよ」<br />
「忘れたよ、もう一年は前の話だもん」<br />
　ふたりは、口げんかを始めてしまった。ノリくんの舌打ちに、車内の空気が一気に悪くなる。<br />
　だから家の前で車を降りたときは、やっと解放されたというすがすがしい気分に加えて、ものすごい疲労感が肩の辺りに重石みたいに乗っかっている気分がした。<br />
　誰にも気付かれずに家の中へ入るという大仕事を何とかこなしてベッドに倒れ込むと、私はあっという間に、眠りに落ちてしまった。<br />
<br />
<br />
<br />
　そこは、霧深い森だった。<br />
　少し先を、光がものすごいスピードで左右に走っている。<br />
　たぶん、車のヘッドライトだ。<br />
　私はそこへ行かなきゃいけない、と思った。<br />
　あの光の流れるところに、がんばって行かなきゃいけない。<br />
　だけど泥の中を歩いているようで、中々前へと進めない。<br />
　早く、早く、早く。<br />
　必死に足を動かしていると、私のすぐ横に、誰かがいるのに気がついた。<br />
　姉より少し歳が上くらいの、女の人。<br />
　その何とも言えない悲しげな表情に、思わず釘づけになった。<br />
「どうしたんですか」<br />
「何か、あったんですか」<br />
　話しかけてみても、何も喋ってくれない。<br />
　仕方なく、また光の流れる方へ向かって歩き出す。<br />
　けれども一向に前へは進めない。<br />
　身体がどんどん重くなる。比例するように、心もどんどん重くなる。<br />
　女の人は相変わらず、私の横に立って何も言わずに私を見つめている。<br />
　こっちはものすごく必死なのにまったく変わらない女の人の様子に、何だかイライラしてしまって、<br />
「何なの！言いたいことがあるなら言ってよ！」<br />
「そうやって、私のこと馬鹿にしてるの！？」<br />
　大きな声を出してしまった。<br />
　それでも、女の人は口を開こうとしない。<br />
　私は、走った。と言っても、まったく前に進まないから、女の人との距離は全然離れない。<br />
　思い通りにならないもどかしさで、涙か出そうになったその時、<br />
「<span class="line">────</span>ッ！！」<br />
　目が覚めて、ガバっと起き上がった。汗だくになりながらあたりを見回すと、いつもの自分の部屋。いつもの自分のベッドの上。夢の中と同じように、はぁ、はぁ、と息が乱れている。<br />
　時計で確認すると、たっぷり眠ったはずなのに、疲労感がものすごかった。<br />
　そして………。<br />
「ありえない…………」<br />
　呆然とした。<br />
　何も言わない女の人の夢。<br />
　メイさんの言っていた夢と同じだということに、気付いたからだ。]]> 
    </content>
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    <id>sevenwonder.blog.shinobi.jp://entry/12</id>
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    <published>2010-10-31T18:40:50+09:00</published> 
    <updated>2010-10-31T18:40:50+09:00</updated> 
    <category term="seven wonder" label="seven wonder" />
    <title>＝　ユウキの場合　＝　02</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[　いざ扉の前に立ってみると、それを押す勇気がなかなか出なかった。<br />
　誰かが来たら便乗して一緒に入ってしまおうと思っていたのに、そういうときに限って誰も来てくれない。<br />
　心臓をバクバクいわせながらどうしようか迷っていると、やがて背後から待ち望んだ音が聞こえてきた。誰かが階段を上って来る。<br />
　こうなったら仕方がない、と覚悟を決めて扉の取っ手に手を掛けたその時、　　<br />
「あれ、ユウキちゃん？」<br />
　聞いたことのある声に、はっとして振り向いた<br />
「あ……メイさん」<br />
　それは、姉の高校時代から友達のメイさんだった。<br />
「ひさしぶり～！ユウナも一緒？」<br />
「えっと……中に……いるはず」<br />
「そっかそっか」<br />
　ものすごい美人のメイさんは、今日も知らない男の人を連れている。<br />
「あ、この人、ノリくんね。ノリくん、この子、ユウナの妹」<br />
「……こんばんわ」<br />
「どうもー、よろしくー」<br />
　男の人と軽い感じで挨拶をしたら、さっきまでの緊張感が何だかなくなっていて、私はためらいなく扉を押すことが出来た。<br />
「<span class="line">───</span>いらっしゃい」<br />
　私と同じくらいじゃないかっていうくらい若い店員さんが、入り口横のバーカウンターの中から声を掛けてくる。<br />
　店内は、金曜日にしては空いていた。<br />
　だけどやっぱり聞いたこともないような音楽が流れていて、身体の芯に響くリズムが身体に心地よかった。<br />
「何飲む？」<br />
　ノリくんが尋ねると、<br />
「んーと、なんか軽いやつ」<br />
　お酒には強いはずのメイさんがそう言うのを聞いて、あれ、と思った。<br />
「具合、悪いんですか？」<br />
「寝不足で、ちょっとだけね」<br />
　美容系の専門学校に通っているメイさんはメイクが上手いから気付かなかったけれど、少し顔色が悪いように見えた。<br />
「最近、やな夢ばっかみちゃってさあ」<br />
「夢？そのせいで眠れないんですか？」<br />
「眠れるんだけど、寝た気がしないっていうか」<br />
　しかも、見るのはいつも必ず同じ夢なのだという。<br />
「ここ一カ月くらいずっと」<br />
「どんな夢なんですか」<br />
「女の人がね……突っ立ってこっちを見てるだけなんだけどね」<br />
　２５、６歳くらいの女の人が、悲しげな顔をしてじっと見つめてくる夢なのだという。<br />
「でもね、寝たら必ずその夢なんだよ。気持ち悪くない？」<br />
「知ってる人とかじゃなくて？」<br />
「見たことも会ったこともないよ、あんな人」<br />
　はあ、とメイさんはため息を吐いた。<br />
「いつまで続くんだろ。ほんとやめて欲しい」<br />
　眠れているんだから、寝不足とは違うんだと思う。変な夢のせいで、精神的に参っているという感じだった。<br />
　夢の話の後に、姉の話や、メイさんの今の学校の話、メイさんの母校でもあるＳ女の話、ノリくんとの馴れ初めや、ノリくんの仕事の話をしたけれど、メイさんは時々、つらそうにため息を漏らした。<br />
「メイ、調子悪いんなら帰ろう」<br />
　ノリくんがそう言いだしたのも、無理はないと思う。<br />
「え、いいよ」<br />
「よくねーよ。そんな顔されたらこっちまで気分悪くなる」<br />
「……わかった。ごめん」<br />
「車、まわすわ」<br />
　ノリくんが店を出ていくと、<br />
「ユウキちゃん」<br />
　メイさんが顔を寄せてきた。<br />
「ユウナが来てるなんて言ってたけど、嘘でしょ」<br />
「え………！？」<br />
「ひとりでこんなとこ残していって何かあったらやだし、一緒に帰んない？」<br />
「………はい」<br />
　ということで、結局私も、メイさんと一緒にノリくんの車へ乗り込むことになった。]]> 
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    <published>2010-10-20T21:40:16+09:00</published> 
    <updated>2010-10-20T21:40:16+09:00</updated> 
    <category term="seven wonder" label="seven wonder" />
    <title>＝　ユウキの場合　＝　01</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[<br />
<br />
　きっと誰でも、一度は耳にしたことがあると思う。<br />
　人のいない体育館でボールの弾む音がしたり、下校途中にマスクをした長い髪の女性に声を掛けられたり……。<br />
　どんな学校にも付き物の、ありふれた怪談話。<br />
　教室で友達がそんな話をしていても、まったく興味の無かった私はいつも、ふうんと気のない相槌を打つだけだった。学校近くの心霊スポットへ遊びに行っても、キャーキャー言いながらしがみ付いてくる友達を、ハイハイと支えながら歩くのが役目だった。<br />
　今の世の中、そういう人は少なくないと思う。<br />
　けれど心霊現象や超常現象にクールでいられるということは、本当はとても幸運なことだと思う。<br />
　私だって前は、そうだった。親しい友達が奇妙な出来事を体験をするまでは、目に見えない世界に怯えたり、理解の出来ない力を恐れたりなんて、したことがなかった。<br />
　そして………ついにあの日、とうとう、奇妙な出来事は"友達の話"では済まなくなってしまった。<br />
<br />
　これは、私がまだ私立Ｓ女学院・高等部の１年生だった頃、実際に体験した一生忘れることのできない事件の話だ。<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
　賑やかな通りから少し入ったところにある雑居ビルの二階。<br />
　黒いペンキで塗りつぶされた階段を上っていくと現れる、えんじ色の重々しい扉。<br />
　看板や表札の類、そこが何かを示すような表示は一切見当たらない。<br />
　しかし勇気を出してその扉を押せば、心地の良い音楽が聴こえてくることを、私は知っていた。<br />
　クラスの子が夢中になっているようなアイドルや歌手の音楽とはまったく異質の音、時には小気味いい電子音のノイズが、時にはスロービートを刻むウッドベースの低音が、時には素朴で力強い歌声が、質のいい音響設備を通して店内の隅っこの方まできちんと行き届くようになっている。<br />
　そして、そんな音楽より更に印象的なのは、この店に集まる様々な人たちの姿だった。<br />
　広くない店内は、今日も大勢の人で溢れかえっているはずだ。<br />
　テレビや雑誌で見かける顔もめずらしくない。外国人だっていっぱいいる。白いあごひげを生やしたおじいさんだって見たことがある。<br />
　職種も人種も年齢も関係なく同じ空間を共有し、おしゃべりを楽しんだり、音楽に身体を揺らしたり、ひとり座ってお酒を味わったりしているのだ。<br />
　この扉の向こうは私にとって、隅の方に立っているだけで、いつもの自分とは違う自分になった気分の味わえる、官能的な場所だった。<br />
　私は前に二回、この扉の向こうへと行ったことがあった。二回とも、みっつ歳上の姉と一緒だった。<br />
　だけど今日はひとりきり。<br />
　理由は姉が「自分で自分のことに責任が取れるようになるまでは、夜遊びはしない」と言いだしたから。理にかなっているように聞こえるけれど、実は姉の今の彼氏が遊び歩くことを嫌がっているせいだというのを、私はちゃんとわかってる。そして、姉が妹の切なる願いよりも、彼氏のワガママを重要視するということも。<br />
　だから今日は仕方なく、ひとりだけでやって来たのだ。<br />
　自分の部屋を、こっそり抜け出して。]]> 
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    <id>sevenwonder.blog.shinobi.jp://entry/10</id>
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    <published>2010-09-29T23:38:54+09:00</published> 
    <updated>2010-09-29T23:38:54+09:00</updated> 
    <category term="seven wonder" label="seven wonder" />
    <title>＝　リカの場合　＝　10</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[　翌日の放課後、例の地下にある部室に先輩を訪ねた。<br />
　御守りを受け取ろうとすると、その前に……と先輩は言葉を濁して、<br />
「ちょっと、つきあってくれる？」<br />
「はい……？」<br />
　疑問顔の私を連れて、外へ出た。そして昨日歩いた道と同じ道筋を再び歩きだす。<br />
「昨日の話なんだけど」<br />
「はい」<br />
「ユミちゃんには、単なる幻覚だろうって言ったけど」<br />
「………はい」<br />
「実はちょっと、違うの」<br />
「………え？」<br />
　私は思わず、足を止めた。<br />
「つ、つまり、どういうことですか！？」<br />
「それを、今から説明してもらおうと思って」<br />
「説明"してもらう"？いったい、誰にですか？」<br />
「それは、私にもわからない」<br />
「………そんな」<br />
　私は、混乱する頭で必死に早足の先輩について行く。<br />
　そして、やってきた。<br />
　古い礼拝堂の、扉の前。<br />
　すっかり慣れた手つきでロープを解き、中へと入った。<br />
　御守りが無くて大丈夫なのかと不安に思いながら、私もおそるおそる足を踏み入れる。<br />
　いや、幻覚の話が嘘なら、御守りなんてもう意味はないのかもしれない。<br />
　でも、昨日先輩と一緒にここへ来た時は何も見なかったし、そもそもそんなに神経質になることはないのかも……。<br />
　私が考えを巡らせていると、<br />
「そこね！いるんでしょ！？」<br />
　礼拝堂の中央にじっと立っていた先輩が突然、大きな声をあげた。<br />
「出てきてよ！」<br />
　礼拝堂の奥へと続く扉に向かって呼びかけている。<br />
　すると<span class="line">────</span>。<br />
「えっ……？」<br />
　少しだけ開いていた扉の陰から、ハーフパンツに重ね着風のＴシャツという、まあ今時の子らしい格好の男の子が、すっと現れた。<br />
（こんなところに、なんで？）<br />
　６、７歳くらいだろうか。ちょっと怒ったような顔をして、こちらに向かって歩いてくる。……が、すべきはずの靴音が、何故かしない。しかも、<br />
（あれ、なんか……身体が……透けてる……？）<br />
　鳥肌が、ぞわっと立つ。<br />
「安心して」<br />
　先輩は、私に向かって言った。<br />
「いたずらはするけど守護霊の部類に入る、まあ、座敷童子みたいなもんよ」<br />
「ざしきわらし……」<br />
　そんなこと言われても、安心なんて出来る訳がない。身体を緊張させながら、私はその男の子をじっと観察した。………やっぱり、透けている。礼拝堂備え付けの長椅子が、男の子の身体の向こうに見えている。<br />
　それでもまだ、自分の目が信じられずにいる私の前で、<br />
『あんた、変わってる』<br />
　男の子は口を動かして喋って見せた。不思議な声だ。周囲の空気と、心の中に、わんわんと響く声だ。<br />
『シスターや神父様によく似てるのに、全然違う。……何者？』<br />
「私が変わってるから、昨日は警戒していつものいたずらをやらなかったのね」<br />
『………いたずら？』<br />
「人の頭ん中覗いて、その子が怖いと思うものをイメージ化して見せてるんでしょう」<br />
『いたずらじゃない』<br />
　男の子は心外だという顔になる。<br />
『ここを護ってるんだ。悪い奴がやって来ないように』<br />
「悪い奴？」<br />
『そう』<br />
　男の子は頷いて、<br />
『僕を殺した奴みたいな』<br />
　そう言った。<br />
　私の心臓は、どきりと音を立てた。<br />
「………そう」<br />
　先輩が、男の子目線に合わせてしゃがみ込む。<br />
「誰も来なくて、寂しくはないの？」<br />
『べつに』<br />
　男の子は先輩から目を逸らす。<br />
『ここにいればきっといつか天使が迎えに来て、神様のところへ連れて行ってくれるんだ』<br />
「…………」<br />
　私は、何だか切ない気持ちになった。<br />
　こんなところにひとりで、ずっと待っていなくちゃいけないなんて。<br />
　すると先輩が、妙なことを言いだした。<br />
「ねえ、私ね、あなたが神様のところへいくお手伝いが出来るの」<br />
　男の子も、疑問顔になる。が、<br />
「もしあなたさえよければ<span class="line">───</span>」<br />
『あんた、天使なの！？』<br />
　今までで一番大きい声を出した。<br />
　しかし先輩は、ゆっくりと首を横に振る。<br />
「残念だけど」<br />
『……あっそ』<br />
　男の子はがっかりした顔になった。<br />
『……なら、いい』<br />
　そして、横を向いてしまう。<br />
「そう？じゃあ、また遊びに来てもいいかな」<br />
　男の子は答えなかったけど、その横顔は先輩の言葉を受け入れている風だった。<br />
「私も、来てもいい？」<br />
　私が横から尋ねると、今度はこっくりとうなずいてくれた。<br />
「よかった。それじゃあもう、怖いイメージは見せないでくれるのね」<br />
　私が安心した声を出すと、男の子は何のことかわからないといった顔をする。<br />
　その顔を見て、先輩も疑問の顔になった。<br />
「この子にも、見せたでしょう？白いドレスの女の人のイメージ」<br />
『さあ。僕はそんなことしてない』<br />
「………え？」<br />
　そこで今までずっと怒ったような顔をしていた男の子が、<br />
『見たんだ』<br />
　初めて、笑った。<br />
　不気味に、にやりと。<br />
　そして、言った。<br />
『それは、ホンモノだよ』<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
　＝私立Ｓ女学院・七不思議　その１＝<br />
<br />
古い礼拝堂には、白いドレスを着た幽霊がでる。<br />
何でも、礼拝堂の裏にある楕円形の白い石は、彼女の墓石のなれの果てだという………。]]> 
    </content>
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    <published>2010-09-29T23:32:08+09:00</published> 
    <updated>2010-09-29T23:32:08+09:00</updated> 
    <category term="seven wonder" label="seven wonder" />
    <title>＝　リカの場合　＝　09</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[「首、吊ってたの？」<br />
「うん……それがね、木の枝にヒモをぶら下げて首を吊ったのは吊ったらしいんだけど、その………身体の腐敗が進んでね、ヒモでくくってあった首のところが……ちぎれて、頭と身体がばらばらになって地面に落ちちゃってたのね」<br />
「………うわ……」<br />
　アイコが引きっつた顔で声を漏らした。<br />
「うぅ、いたい……」<br />
　首をさするユウキの横で、さすがの門脇先輩も痛ましげに目を細めている。<br />
「服……Ｓ女の制服着てた。先輩だったんだね、私たちの。……頭も近くにあったらしいんだけど、私は身体だけしか見なかった」<br />
「………よかったね」<br />
　私は思わずそう言った。腐敗の進んだ人の頭部というのは、どれほど恐ろしいものだろう。<br />
「まあ……ね。でも、そのあと毎晩、夢に見たよ。顔を見なかったから、夢の中の彼女はいつも頭が無いまま歩きまわってた」<br />
　はぁ、と深いため息をついて、ユミは手で顔を覆う。<br />
「その人、教会で洗礼受けてたクリスチャンだったのに、自殺したもんだからお葬式出してもらえなかったんだって」<br />
「………そっか」<br />
　カトリックでは、自殺は重い罪として扱われる。生前、どんなに熱心な信者だったとしても、自殺者となれば葬儀をあげて貰うことも難しい。<br />
「何で、忘れてたんだろ……」<br />
　そこでユミはハッと顔をあげた。<br />
「あの、私、彼女に呪われてるとかじゃないんですよね！？」<br />
　血相を変えて問いかけてくるユミに、<br />
「それは無いわ」<br />
　先輩はきっぱりと言った。<br />
「熱が下がらないのは、呪いのせいとか……？」<br />
「風邪ね、単なる」<br />
「そう……ですか……？」<br />
「そうよ」<br />
　先輩は大きく頷くと、<br />
「ただし、気をつけなきゃならないことは、今後もあの礼拝堂や、あそこに似たような場所に行ったとき、同じようなものを見ちゃう可能性があるってことね」<br />
「えぇー！」<br />
　ユミは涙眼で不満の声を出した。<br />
　私も、ものすごく暗い気持ちになる。これから一生、暗がりを怖がりながら生きていかなきゃいけないのだろうか。そんなの絶対に嫌だ……。<br />
「だから<span class="line">───</span>はい」<br />
　先輩はカバンの中をごそごそとやって、ブルーの、よく神社やお寺で売っているような純和風の御守りを取り出した。ただし、「交通安全」といったような文字は縫い付けられていない。無地のものだ。<br />
「これさえあれば、絶対に大丈夫！本物だろうが偽物だろうが、バシバシ霊を吹き飛ばしてくれるから！」<br />
「そ、そんな、通販の決まり文句的な……？」<br />
「うん、安心して。保証する」<br />
「はぁ」<br />
「信じることがね、大事なの」<br />
　先輩はおまもりを渡しがてら、ユミの手をぎゅっと握った。<br />
「何かあったら飛んでくるから。すぐ言ってね」<br />
「……わかりました」<br />
　どこかほっとしたようなユミの顔を見ながら、私は、<br />
「あの……私にも？」<br />
「そうね」<br />
　先輩は頷くと、<br />
「今はいっこしか持ってないから、明日渡すわね。放課後、取りに来てくれる？」<br />
「……はい！」<br />
　私も、ほっとした気持ちで頷いた。<br />
　先輩は、不思議だ。<br />
　こうして目を合わせて話していると、任せておけば大丈夫、という気にさせてくれる。常人の人からは感じられない、エネルギーというか、力がある。<br />
　先輩の行動は、自信以上の確信に満ちていた。たったふたつしか歳の違わない人だとは、とても思えない。<br />
　私は、先輩のことがもっとよく知りたいと思うようになっていた。<br />
　目の前で、ずずずーとジュースを勢いよく吸っている先輩に訊いてみる。<br />
「先輩、今まで旅行した場所で、どこが一番よかったですか？」<br />
「ええ！？うーん、また難しい質問を……。そおねえ……？」<br />
　そのあと、私たちは少しだけおしゃべりを楽しんだ後で、それぞれの帰途についた。<br />
　もちろん、事件はすっかり解決したものだと信じきって。]]> 
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    <published>2010-09-29T23:24:37+09:00</published> 
    <updated>2010-09-29T23:24:37+09:00</updated> 
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    <title>＝　リカの場合　＝　08</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[　一気にテンションの下がった室内に、ノックの音が響き渡った。<br />
　扉へといっせいに視線が集まる中、<br />
「………あら、何だか元気がないわね」<br />
　お盆を持って入って来たユミのママは、もの珍しげに皆の顔を見回しながら、私と先輩のジュースを置いていってくれた。<br />
　私はからからになった喉をジュースで潤し、少し間を置いてから、ユミの話を聞いてどうしても気になったことを口にした。<br />
「じゃあ、私が見たものは……？あれは、一体なんだったの？」<br />
　あの日の夜、私は確かに見たのだ。礼拝堂の窓から、こちらを見ている人影を。<br />
　あの時はただぼんやりと、白い服をきた女の人だなあと思っただけだったけど、彼女のイメージは日が経つにつれてどんどん鮮明になってきている。<br />
　白いレースのついたドレス。艶の無い赤茶色の長い髪。かさかさにこけた頬。渇いた手足。更には、眼球のない空洞の瞳。まるで、ミイラのような。<br />
「先輩」<br />
　私は門脇先輩に視線をやって、答えを求めた。<br />
「そうね……」<br />
　先輩は少し考えた後で、<br />
「一般的な、日本の幽霊ってどんな姿をしているかわかる？」<br />
　唐突にそんなことを言い出した。<br />
「……白い着物を着て、頭に三角のやつをつけて、手を前にだらっと……」<br />
　アイコがそう言うと、<br />
「そうそう」<br />
　先輩は頷いて、<br />
「古い日本家屋や何かに入るとね、暗がりに一瞬、そんな感じのものが見えたように錯覚することがあるの。もしかしたら、あなたたちのもそれじゃないかなあ」<br />
　ジュースの入ったコップを持ち上げて、ストローで一口すする。<br />
「礼拝堂の横を通る度、無意識に連想してたんじゃない？あの、ぼろい建物に似合いそうな、幽霊の姿を」<br />
（………言われてみればそうかもしれない）<br />
　私はふと、思い出した。小さい頃読んだ絵本に、古い洋館に住むおばけの話があったのだけど、確かにその女の幽霊の格好によく似ているかもしれない。<br />
　私がそう話すと、<br />
「でしょう？」<br />
　先輩は、頷いた。<br />
「ユミちゃんは？」<br />
「………わたし」<br />
「なによ、心当たりがあんの？」<br />
　ユミは相変わらず青い顔で、<br />
「うん……実はね、たった今思い出したんだけど……私、小さい頃に彼女と会ったことがあるよ……」<br />
「はあ！？」<br />
「なにそれ、どーゆーこと！？」<br />
「それがねえ……私、首を吊って自殺した女子高生の、第一発見者になったことがあって」<br />
「え！？そんなことあったっけ」<br />
　幼馴染のユウキが声を上げる。<br />
「ユウキとはまだそんなに遊んで無かった頃だよ。怖い思い出だったし、忘れよう忘れようって思ってたから、ほんとにすっかり忘れちゃってたんだけど」<br />
「………ユミらしい」<br />
　アイコが小声で呟いた。<br />
「ほら、ウチの裏の坂を越えたとこに、教会があるのわかる？そこの裏がちょっと公園みたいになってて、大きな木があったの。今はもうないけど」<br />
　ユミの顔が、嫌な物をみたときのようにくしゃっと歪んだ。<br />
「そこで、見つけちゃったの」]]> 
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    <published>2010-09-21T23:46:59+09:00</published> 
    <updated>2010-09-21T23:46:59+09:00</updated> 
    <category term="seven wonder" label="seven wonder" />
    <title>＝　リカの場合　＝　07</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[　ユミの家は、学校から電車で二駅のところにある。<br />
　駅前のメインストリートを抜けて１０分ほど歩いたところにそびえ立つ、結構大きな一軒家だ。<br />
　チャイムを押すと、いつも笑顔でとっても優しいユミのママが出てきた。<br />
「まあ、リカちゃん、いらっしゃい。あら？」<br />
　ユミのママは、先輩のほうをみて首を傾げる。<br />
「あ、こちら門脇先輩です。あの、ユミのことが心配だっていうので、一緒に」<br />
「始めまして」<br />
　先輩は、見事な社交スマイルを浮かべた。<br />
「まあまあ、ありがとう。どうぞ、あがってあがって」<br />
　靴を脱いでスリッパへと履きかえると、<br />
「いまね、アイコちゃんとユウキちゃんも来てるのよ」<br />
「あ、ほんとですか」<br />
　ふたりもまだ、帰っていなかったらしい。<br />
「ユミちゃんの具合、どうなんですか」<br />
　先輩が隣から、ユミのママに尋ねた。<br />
「単なる風邪みたいなんだけど、熱が下がらないのねえ。昨日病院を変えたから……。新しいお薬が効くといいんだけど」<br />
　うつるとまずいからあまり近付いちゃ駄目よ！というユミのママにお礼を言って、ふたりで二階へと上がる。<br />
　突き当たりにある、ユミの部屋の扉を開けた。<br />
　すると、深刻そうな顔で話をしている最中だったベッドの上のユミと絨毯の上のアイコとユウキが一斉にこちらを向く。<br />
　そして、<br />
「うわぁリカちゃん！わざわざごめんねー！」<br />
「白状したわよ！こいつ！やっぱ見たんだって！」<br />
「あ！門脇先輩ですか！？あの、私、吹奏楽で高木先輩と仲良くさせてもらってて、門脇先輩の噂はかねてより……」<br />
　三人同時に捲くし立て始めた。<br />
　先輩と顔を見合わせた私は、<br />
「と、とりあえずちょっと、落ち着いて……」<br />
　まずは先輩の紹介をすませると、アイコたちと同じように絨毯の上に座り込む。<br />
「で、見たっていうのは何をみたの？」<br />
　私が聞くと、ユミ下を向いてしまった。<br />
「………そのぉ」<br />
「幽霊だよね！」<br />
「うちの学校の生徒だったんだって！」<br />
　喋りたくてしょうがないといった感じのふたりとは違って、ユミの口は重く、中々続きを話さない。<br />
「だって怖いんだもん。下手に話して、呪われたくないし」<br />
　それを聞いて、門脇先輩は諭すように言った。<br />
「みたところ、あなたが霊にとり憑かれてるってことはないわ」<br />
「え、ほんとですか？」<br />
　ユミは気味悪そうに背後を振り返る。<br />
「うん、だから安心して。悪い霊に憑かれているんだったら、すぐにわかるもの」<br />
　先輩の言葉に、ユウキが疑惑の眼差しを、アイコが畏怖の眼差しを向けたのが、私にはわかった。<br />
「うちの生徒だったっていうのは、霊自身の言葉？」<br />
「まさか！喋ったりはしてません！ただ、うちの制服来てたから」<br />
「顔は？見覚えあった？」<br />
　私が聞くと、ユミはまた口をつぐんでしまった。<br />
「私たちにも教えてくんないのよ。でも、話せないってことは知ってる顔ってことだよねえ」<br />
　アイコが言うと、喋っちゃいなよ、とユウキが促す。<br />
　私は妙に嫌な予感がして、聞いてみた。<br />
「まさか……この中の誰かがとか言わないわよね」<br />
「いやあぁ！やめてよっ！」<br />
「ド、ドッペルゲンガーってやつ！？」<br />
「やだ……怖すぎる」<br />
「それか、実は制服を着た髭面の男だったとか？」<br />
「げ、それはそれできもちわるい……」<br />
　騒ぎ立てる私たちの中でひとり冷静な先輩が、<br />
「どうだったの？」<br />
　静かにそう尋ねると、ユミは震える声で答えた。<br />
「……顔は……顔は、見てません。だって<span class="line">────</span>」<br />
　ユミは青ざめた顔で、瞳を潤ませながら言った。<br />
「頭が、無かったんです」]]> 
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    <id>sevenwonder.blog.shinobi.jp://entry/6</id>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://sevenwonder.blog.shinobi.jp/seven%20wonder/%EF%BC%9D%E3%80%80%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%81%AE%E5%A0%B4%E5%90%88%E3%80%80%EF%BC%9D%E3%80%8006" />
    <published>2010-09-21T23:40:26+09:00</published> 
    <updated>2010-09-21T23:40:26+09:00</updated> 
    <category term="seven wonder" label="seven wonder" />
    <title>＝　リカの場合　＝　06</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[「うー…ん」<br />
　門脇先輩は困った顔で頬杖をついている。<br />
「とりあえず、ユミちゃんって子に会ってみないと何とも言えないかなあ」<br />
「ユミんちは近いんで、よかったら案内しますけど……」<br />
　今から行けば、まだあのふたりもいるかもしれない。<br />
「礼拝堂って、あのふるーいやつよね」<br />
「そうです」<br />
「………先にそっち、見てからにしよっか」<br />
　先輩はそう言うと、ガタンと椅子の音を立てて立ち上がった。みつあみにした長い髪がゆらりと揺れる。<br />
「変わった同好会ですよね。その、以前には他にも会員の人がいたんですか」<br />
　礼拝堂へと移動しながら尋ねてみると、<br />
「ううん、ずっとひとり」<br />
　あっさりとそんな答えが返って来た。<br />
「まあ、諸事情あってね。あんな名前つけることになったけど……。全国ってついてればなんでもよかったのよね。食べ歩き同好会でも、飲み歩き同好会でも」<br />
　冗談だろうと思っていたら、<br />
「それだと許可が下りなくって」<br />
　先輩は笑いながら言ったから、どうやら一度は申請したらしい。<br />
　何でも先輩は旅行が好きで、学校を休んでまで全国を旅しているから、そのための言い訳が必要だったのだそうだ。<br />
「郷土史とか何とか、もったいぶった感じで嫌なんだけどね。でも解決した事件……じゃなくて、旅先で調べた事柄をレポートにまとめて提出すると、ちょっとだけ出席日数をおまけしてくれるのよ」<br />
「ええ！ほんとですか！？」<br />
「うん、まあ、学院長とうちの親が知り合いなもんだから、特別にしてもらってるんだけど」<br />
　先輩は、あはは、内緒ね、と笑って、ぴたりと足を止めた。<br />
「ここね」<br />
　例の、礼拝堂のまん前だ。<br />
　立ち入り禁止だからと一応周囲を見回しつつ、ロープを解いて中へと入った。<br />
「………涼しいわね」<br />
　ひんやりとした空気。肌寒いくらいだ。そして、昼間だというのに薄暗い。<br />
　いかにも何かが出そうな雰囲気があるのだが、<br />
「うーん、特に悪い感じはしないなあ」<br />
　先輩はあっけらかんとそう言った。<br />
「幽霊、いないんですか」<br />
　こわごわ聞いてみると、<br />
「いーえ、それなりの気配はあるわよ」<br />
　微妙な答えが返ってくる。<br />
「そ、それなり……？」<br />
　それ以上は恐ろしくて尋ねられないものだから、床にしゃがみこむようにしてじっとしている先輩をしばらく眺めていると、<br />
「駄目だわー」<br />
　先輩は、あきらめ顔で立ち上がった。<br />
「こういう場所はいろんな念が残ってるから、ちょっと複雑で難しいのよねー」<br />
　ぶつぶつと文句を言いながら、周囲を見渡している。<br />
「姿を現してくれるのが一番手っ取り早いのに」<br />
　先輩の大胆な言葉に、私は思わず目を剥いた。<br />
（まさか、降霊術とか始めちゃったりして……）<br />
　そんなものには絶対、立会いたくない。<br />
「あの、私、外で待っててもいいですか？」<br />
　及び腰でそう言うと、先輩はふふ、と笑って私に言った。<br />
「仕方ないから、そのユミちゃんって子のおうち、行ってみようか」]]> 
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    <id>sevenwonder.blog.shinobi.jp://entry/5</id>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://sevenwonder.blog.shinobi.jp/seven%20wonder/%EF%BC%9D%E3%80%80%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%81%AE%E5%A0%B4%E5%90%88%E3%80%80%EF%BC%9D%E3%80%8005" />
    <published>2010-09-15T00:38:54+09:00</published> 
    <updated>2010-09-15T00:38:54+09:00</updated> 
    <category term="seven wonder" label="seven wonder" />
    <title>＝　リカの場合　＝　05</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[　クラブ棟に地下があるのは知っていたけど、物置になっているような部屋ばかりで、まさかそこを部室として使っている人たちがいるだなんて、知らなかった。<br />
　ちょっと薄暗い廊下を恐々進んでいくと、一番奥にその部室は見つかった。"全国郷土史・民俗学研究同好会"というかわいい手書きの文字の看板が掲げられている。<br />
　私はその扉をそっとノックした。<br />
　<span class="line">───</span>返事はない。<br />
「失礼します……」<br />
　声をかけて、扉をあける。<br />
　すると<span class="line">────</span>。<br />
　部屋は半地下のようになっているらしく、高い天井のすぐ下の壁に、明かり取りの天窓がついていた。<br />
　そこから光が差し込んで、まるでスポットライトのように、部屋の中央にひとつだけ置かれた机にあたっている。<br />
　そしてその机には、制服を着たおさげ髪の女生徒が神々しく<span class="line">─────</span>いびきをかきながら、突っ伏していた。<br />
「あの……」<br />
「<span class="line">─────</span>んぁッ！！！」<br />
　私の声に驚いてガバッと顔をあげたその女生徒の口元には、涎の跡がくっきりとついている。<br />
　それでも、<br />
（きれい）<br />
　とっても、美人だった。こんな人、学校にいただろうか？<br />
　利発そうな、はっきりとした顔立ち。たぶん、男子よりも女子からの人気がありそうなタイプ。<br />
　うちの学校では、絶対に有名になりそうな人なのに。<br />
「あの、門脇先輩っていらっしゃいますか」<br />
　私がそういうと、その女生徒は口元を袖でごしごしと擦りながら、<br />
「残念だけど、当同好会は門脇綾子ただひとりなのよ」<br />
　ため息とともに言った。<br />
「じゃあ、あなたが……」<br />
「そ。私がその門脇先輩。……まさか、入会希望者じゃあないわよねえ」<br />
「いえ……あの、実は相談があって……」<br />
　"相談"という言葉を聞いたとたん、彼女はウッと顔を歪めた。<br />
「相談って、どんな？」<br />
「その………」<br />
　もしかしたら信じて貰えないかもしれない、と思って口籠っていると、<br />
「霊でも見ちゃった？」<br />
　彼女のほうから、話題を振ってくれた。<br />
「そう、そうなんです！実は一週間前、古いほうの礼拝堂で女の人を見てしまって！」<br />
「やっぱり」<br />
　彼女はおさげの頭をぽりぽりと指で掻く。<br />
「悪いけど、そういう相談は断ることにしてるのよ。だって、キリがないんだもん」<br />
「あの、でも、友達がその幽霊を見たせいで寝込んでしまっていて」<br />
「そうなの……？」<br />
「もう一週間も学校を休んでいて」<br />
　しかもそれは、私が変なことを言い出してしまったせいだったりするものだから、困り果てていてほんと、藁にも縋る想いなのだということを、必死に顔でアピールしていると、<br />
「いいわ」<br />
　彼女は決して恩着せがましくない、さばさばとした口調で言った。<br />
「聞くわよ。こっち来て座って」<br />
　入口の所に立ったままだった私は、その言葉に心底ホッとしながら、<br />
「失礼します」<br />
　白い机をひとつ挟んで、彼女の正面へと腰掛けた。]]> 
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    <id>sevenwonder.blog.shinobi.jp://entry/4</id>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://sevenwonder.blog.shinobi.jp/seven%20wonder/%EF%BC%9D%E3%80%80%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%81%AE%E5%A0%B4%E5%90%88%E3%80%80%EF%BC%9D%E3%80%8004" />
    <published>2010-09-15T00:38:31+09:00</published> 
    <updated>2010-09-15T00:38:31+09:00</updated> 
    <category term="seven wonder" label="seven wonder" />
    <title>＝　リカの場合　＝　04</title>
    <content mode="escaped" type="text/html" xml:lang="utf-8"> 
      <![CDATA[　放課後、アイコが妙なことを言い出した。<br />
「ねえ、知ってる？"全国郷土史・民俗学研究同好会"って」<br />
「……知らない。何、その長い名前。そんなのあったっけ？」<br />
「私もさあ、興味なかったからすっかり忘れてたんだけど……。前に吹奏楽の先輩から聞いたことあんだよね。そこの会の三年生で、ものすごく霊感の強い人がいるって」<br />
「えええ、何か嘘くさ～」<br />
「まあ、私もあんまり信じてはないんだけどさ」<br />
　リカちゃん、とアイコは私に向かって言った。<br />
「あの礼拝堂で見た……白いドレスの女の人？その先輩に話してみたらどうかな」<br />
「……また始まった」<br />
　アイコの言葉に、ユウキが笑みを浮かべて首を横に振っている。<br />
「霊感なんて、単なる噂に決まってんじゃん、そんなの」<br />
「でも、その先輩に纏わる逸話がいっぱいあるんだよー」<br />
　アイコは口を尖らせる。<br />
「結局あの時の幽霊……ユミ以外に見たのはリカちゃんだけだったし」<br />
「大体さあ、ユミは何も見てないって言ってたじゃん」<br />
「あれは絶対何か見てるよ！じゃなきゃ気を失ったりするわけないじゃん」<br />
　確かに、そうなのだ。ユミはきっと、自分と同じモノを見て倒れたのだ。<br />
　それは、私にとってもものすごく怖いことだった。<br />
（次は、私が祟られる番かもしれない……）<br />
「私、話してみようかな」<br />
「え！やめなよ！大体話すってことは、うちらが礼拝堂に入ったってばれちゃうじゃん！」<br />
「そうだけど……」<br />
「もう！昨日からユウキはそればっかり！本気でユミのこと心配してる！？出来ることしてあげたいって思わないの！？」<br />
「……思うけどさあ」<br />
「私、今日ユミんち行ってお母さんに全部話すつもりだから」<br />
「ええ！」<br />
　アイコの宣言に、ユウキは反対！反対！と抗議する。<br />
「リカちゃんはそのなんとか同好会ってとこに行ってみてくれないかな」<br />
「うん、わかった」<br />
「ねえ！ちょっと待ってよ！」<br />
「何？文句ある？」<br />
　結局、散々口論した結果、ユウキもアイコと一緒にユミの家に行くことになったから、私はふたりと別れて、ひとりクラブ棟へと向かったのだった。]]> 
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